里親への無理解、里親と言えばペットのこと?…里親委託が進まない理由(4)


里親の存在が世間に認知・理解されなければ、里親委託が進むことは困難です。
しかし日本では、かなりの知識層でも「里親」に対する正しい知識がありません。

・「里親」といえばペットを引き取る人のことだと思っている方
・「里親」と養子縁組の違いがわかっておらず混同している方

が大半を占めているという現状があります。

行政も里親制度の認知拡大は課題認識していると思いますが、
どれだけ世間がこの存在を誤解しているかを数値化するため、
インターネット上で使われる「里親」という単語が
どのような意味・文脈で用いられているかの解析を行いました。

その結果、ネット上で使われる「里親」という単語は、
96%以上がペットの文脈で使われるという結果が得られました。
我が国では、里親=ペットを引き取る人のことと認識されているのです。

ではこれの、何が問題なのでしょうか?

行政用語における「里親」とは、親元での養育が困難である児童たちを
「一時的に」預かって養育し、健やかに育成していく制度とその存在のことです。

親権の移動はなく、成人した・あるいは家庭環境が改善した児童は、
その里親家庭から巣立っていきます。ところがペット業界における「里親」とは、

「子犬が5匹うまれました!里親さん(=引き取り手、飼い主)を募集します!」

という感じで、養育して成長したら手放すものではありません。
これは、行政制度でいえば「養子縁組」にあたるものです。
こちらの用途の爆発的な普及により社会でも

里親=恵まれない子供たちを引き取ること

という誤った認知、養子縁組との混同が完全に確立されたものと推測されます。
繰り返しになりますが、親権の移動を伴って子ども引き取るのは「養子縁組」であり、
子どもに適切な社会的保護を与える「里親」とは似て非なるものです。

子どもの里親委託を阻む最大の要因は「実親の不同意」ですが、
その背景としてこれらの『里親』への無理解が頑なな態度を
醸成させている可能性は非常に高いと言えそうです。

行政が考えている以上に、

「ペット里親との混同」
「存在そのものへの誤解」

は深刻なのではないでしょうか。