【おときた駿】東京都議会平成27年第3回定例会一般質問内容


平成27年9月30日平成27年第3回定例会一般質問内容より抜粋

〇おときた都議会議員 次に、東京都社会的養護施策推進計画についてお伺いいたします。
家庭で適切な養育を受けられない子供を公的責任において養育する社会的養護において、我が国並びに東京都の施策は施設偏重の傾向が顕著であり、里親委託や特別養子縁組への取り組みが極めて鈍いことは、これまでも多くの有識者、議員によって指摘をされてきました。
さらに、我が国では、その里親委託や養子縁組の不足等により、子供の家庭を得る権利が十分に担保されていないことについて、国際連合の子どもの権利委員会から強く勧告を受けていることは見逃せない重大な事実です。
こうした流れの中、厚労省は、脱施設化を目指し、平成四十一年までに家庭養護、すなわち里親委託率をおおむね三分の一とする政策目標を掲げております。
にもかかわらず、東京都は、ことし四月に発表された東京都社会的養護施策推進計画において、里親委託等の家庭養護と、小規模施設を含む家庭的養護の区別を設けず、合算でおおむね六割を目指すとの方針を発表しました。これは明確に、家庭養護の促進を目指す国の方針からは逸脱します。
そもそも、家庭養護と家庭的養護は大きく異なる概念で、施設養護の延長線にあり、グループホームを指す家庭的養護では、主たる養育者がかわるために、児童たちは十分な人間関係を育むことができず、愛着障害を引き起こすリスクがあります。
この重大な示唆を踏まえた国の方針を、技術的助言とのけて設定した目標には大きな疑問があり、これでは、東京都は、家庭養護、すなわち里親委託に消極的ともとられかねません。
まず、このような方針を採用した理由を伺います。
そして、厚労省の数値はあくまで参考にとどめるとしても、家庭養護、すなわち里親委託単独での目標設定をすることは極めて重要です。民間企業でも、またあらゆる組織でも、目標を立てる際に数値を設定することは当然といえます。
この問題に関しては、舛添知事自身から、さきの予算特別委員会で私の質問に対して、里親委託を優先して検討するとの答弁をいただいております。その意思をしっかりと示す意味でも、家庭養護単独の目標設定を定めるべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
関連して、里親委託促進と要保護児童の一時保護所について簡潔にお伺いいたします。
里親委託の進まぬ現状において、里親と要保護児童のマッチングにうまくいかなかったケース、いわゆる里親不調の原因調査は必要不可欠です。
現在、児童相談所も東京都も、里親不調の原因や理由、背景について統計をとっておりませんが、改善につなげるためにも、早急にこのデータ収集を開始するべきと考えますが、見解を伺います。
また、児童虐待などのケースの急増に伴い、児童を一時的に保護する一時保護所は定員を上回る過密状態が続いており、一時保護所の飽和状態とスタッフの不足は、子供たちに悪影響を及ぼすおそれも指摘されています。
一時保護所の現状について、第三者機関による評価が実施される見込みであることは高く評価できますが、児童虐待などの急増件数に十分対応するために、一時保護所にはさらなる財源、人的資源を充てるべきと考えますが、今後の対応をお伺いいたします。
〇福祉保健局長(梶原洋君) 六点のご質問にお答えをいたします。
まず、家庭的養護の目標設定の考え方についてでありますが、都はこれまで、社会的養護のもとにある子供が、できる限り家庭的な環境で養育されるよう、養育家庭、ファミリーホーム、グループホームなどの家庭的養護を推進してまいりました。
国は、平成二十四年の通知において、家庭養護と家庭的養護を区分して目標を示しましたが、どのような子供がそれぞれの対象となるかは明らかにしておりません。
都の社会的養護施策推進計画では、子供の状況に合わせた養育の場という観点から目標を定めており、情緒的問題や健康上の問題など課題を複数抱える約四割の子供には、施設における専門的ケアが必要と判断をいたしました。
それ以外の子供につきましては、一人一人の状況に合わせて適切な措置委託先を判断することとし、家庭的養護全体で六割とする目標を設定したものでございます。
次に、家庭養護の目標設定についてでありますが、要保護児童の措置については、児童の福祉を第一に考え、児童の心身の発達状況や保護者の家庭引き取りの可能性など、児童一人一人の状況を総合的に勘案し、決定しております。
措置委託先の決定に当たっては、まず養育家庭への委託を検討しておりますが、子供の成長には、先ほど申し上げたように、一人一人の子供の状況に合わせ、より適切な養育環境を提供することが重要でございます。
現在、学識経験者や事業者等から成る児童福祉審議会の専門部会で、今後のあり方も含め、家庭的養護を進める具体的方策をご議論いただいており、今後、その議論も踏まえながら支援策を検討し、養育家庭を初めとした家庭的養護を推進してまいります。
次に、養育家庭における不調原因等の統計についてでありますが、養育家庭からの措置解除の理由は、生活環境の変化や養育負担感の増加、里親の健康問題など、さまざまな要因が複合的に重なり合っております。
全国児童相談所長会が平成二十三年に取りまとめた里親委託等に関する調査では、措置解除理由についても調査しておりますが、その解釈について里親から疑問の声が上がるなど、一律に不調理由の統計をとることは困難だと考えております。
都は、児童の福祉を第一に考えて、ケースごとに個別の状況を総合的に判断していくことが、養育家庭委託の推進においては重要であるというふうに考えてございます。
次に、一時保護所についてでありますが、都はこれまで、一時保護需要の増加に対応するため、一時保護所の定員を平成十七年度の百二十八名から現在の百九十八名にまで拡大するほか、児童養護施設等への一時保護委託などを実施してまいりました。
さらに、急増する一時保護需要に対応するため、今年度は新たに一時保護所を増設し、定員を二百十三名とする予定であり、一時保護委託を行う児童養護施設への支援も充実しております。
また、一時保護所の人員配置については、国の基準よりも職員を手厚く配置しております。
今後とも、児童相談所の対応力を強化し、子供たちの安全確保に努めてまいります。

おときた駿 東京都議会議員(北区選出)

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