【おときた駿】都議会厚生委員会質問内容


平成27年3月19日 厚生委員会質問内容より抜粋

○おときた委員 次に、社会的養護についての質問に参ります。
まず初めに、里親制度の普及促進についてです。
東京都では養育家庭の名称で、我が国では一般的に里親で定着を見ている社会的養護の一形態ですが、他の先進国と比べて里親制度が普及せず、養子縁組との混同も多く見られます。
これが、社会的養護が必要な要保護児童の実親が、施設はよいけど他人にとられてしまう里親はだめと里親措置に同意しない原因の一つともいわれています。この原因の一端は、里親というイメージがそもそも間違って普及してしまったことによるものではないでしょうか。
私が独自に行ったインターネット上の、いわゆるビッグデータ解析といわれるものなんですが、ネット上で使われている里親という言葉は、何と九六%以上が犬や猫などの動物、ペットの里親という文脈で使われておりました。
ペットの里親というのは、一般的には飼い主、引き取り手を意味しますから、日本における里親と養子縁組の概念がこれで混同してしまったと考えられます。
冒頭に述べたように、東京都では独自に養育家庭という用語を用いておりますが、残念ながら現段階では一般的にはほとんど普及をしておりません。
里親制度への誤解を解いて普及啓発を行うため、こうした間違ったイメージを払拭する行政側からの主体的な働きかけが必要と考えますが、この点について東京都の取り組み、対策をお聞かせください。

○松山事業推進担当部長 都は、養育家庭制度を広く都民に周知し理解を促進するため、十月、十一月の里親月間を中心に、区市町村や児童養護施設等と連携した体験発表会を開催するとともに、ホームページ、広報紙、フリーペーパー等を活用した啓発活動を実施しております。
今後とも、区市町村や児童養護施設の里親支援専門相談員などと連携し、養育家庭の普及啓発等に努めてまいります。
なお、都では、里親の名称の適切な使用につきまして、動物などと同じような印象を与える不適切な里親の名称の使用がないように区市町村等に周知を図っております。

○おときた委員 こうした一度ついてしまったイメージを払拭するには時間がかかりますが、ぜひ地道な活動をしっかりと、広報活動を続けていただきたいと思います。
次に、専門養育家庭について伺います。
虐待された児童や非行等の問題を有する児童及び身体障害児や知的障害児など一定の専門的ケアを必要とする児童を養育する専門里親、東京都では専門養育家庭ですが、こちらへの委託数は平成二十一年度からずっと一名ないし二名のみの委託となっており、数字だけで判断しますと、なかなか活発には動いていないような状況が見られます。
実際に専門里親に登録しようとされた方のお話によりますと、登録するために必要な講習、レポートなどがあり、それに必要な二万円程度の教科書は里親さんの自己負担になっているそうです。
高いハードルと登録する里親さんに負担がありながら、それほど活用事例がないというのはいささかもったいないような気もします。
今後、この専門里親をどのように活用されていくのでしょうか。また、里親側に対する金銭的な負担は都側が負担するべきではないでしょうか。今後の展望をお伺いいたします。

○松山事業推進担当部長 被虐待児、非行等の問題を有する児童及び障害児など専門的ケアを必要とする児童については、一人一人の状況を総合的に判断し、適切に専門養育家庭等に委託しております。
また、専門養育家庭になるためには、都が実施する専門養育家庭研修の課程を修了していることが必要となります。
都では、本研修のスクーリング受講料及び施設実習にかかわる経費を負担しておりますが、テキスト代につきましては、受講後、個人の所有となることから本人負担としております。

○おときた委員 教材に関しては、受講後本人のものになるからということで自己負担というのは理屈としては正しいとは思うのですが、二万円というかなり高価なものですので、こちらに関してはなかなか個人では手を出すのが難しいのかなと。図書館でも借りられるということですけれども、やっぱり受験とかは手元に参考書があった方が勉強しやすいと思いますし、仮に十五名程度の専門里親さんであれば年間支出は三十万円ということで、決して高いコストではありませんので、ぜひこちらは都側が負担をして専門養育里親さんを支援していただくように要望いたします。
次に、里親として受託するまでの交流期間における里親側の自己負担についてです。
児童相談所から里親措置の打診があり、実際に里親が児童を措置されるまでの交流期間は双方にとってとても大切な期間ではありますが、その間の里親の経済的、心理的、時間的な負担は非常に大きい、そういった声が里親たちから多く上がっています。
慎重な対応をする東京都は、特に乳幼児期間は長く交流させる傾向があり、半年間が平均ともいわれています。
こうした交流期間中の負担軽減については、東京養育家庭の会からも毎年要望が出ていると聞いております。
平成四十一年度までに社会的養護の六割を家庭的養護とすることを目指す東京都として、里親をサポートし促進を目指すためにもこの点は改善すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○松山事業推進担当部長 養育家庭の委託に当たっては、養育家庭の状況をきめ細かく把握し、委託に向けた交流を重ねるなど、丁寧な支援が必要であります。
そのため、委託前からの支援の必要性について認識しており、既に国に対して養育家庭と施設入所児の交流に要する経費など、必要な補助を行うよう要望しております。

○おときた委員 国に対しては東京都としても要望しているということなんですが、東京は福祉世界一を目指すのであれば、国が先駆けて東京都が独自支援をするということまで視野に入れて行動を起こしてほしいことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
次に、フレンドホーム制度について伺います。
里親委託ができない事情がある要保護児童たちに家庭を体験させることを主たる目的として創設された本制度ですが、運用が始まり実態は少しずつ変わり始めています。
登録をする里親の中にも、まずはお試しでフレンドホーム制度に登録という方もいらっしゃるようですし、私の調査によりますと、現在は必ずしも里親措置が絶対に難しいという子ばかりが本制度を利用しているわけでもないようです。
ところが現在の制度では、フレンドホームはあくまで里親措置とは別制度になっているため、フレンドホーム登録家庭のもとで一定期間を過ごして、非常に関係が良好で双方が里親関係を臨む状態になったとしても、その希望はかなわないという仕組みになってしまっています。
フレンドホームを利用した児童の里親措置に関しては、こうした利用実績を踏まえて児童相談所による速やかな里親措置を連動できるように改善すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○松山事業推進担当部長 フレンドホームは、実親の承諾が得られない等の事情により、養育家庭委託ができず、施設入所中の児童を対象としたものであり、夏休みや冬休みなどの学校が休みの期間に数日間、施設に登録した家庭に預ける制度でございます。
養育家庭委託が難しいと判断された施設入所中の児童につきましても、保護者等の面会の有無や家庭への引き取りの見通しなどを総合的に判断し、フレンドホームとして交流中の家庭が養育家庭として都に登録されている場合には、児童相談所はその家庭を含め適切な家庭を選択し、養育家庭への委託を検討しております。

○おときた委員 丁寧にご説明いただいたんですけれども、やっぱりこれは制度としては別の制度で、一回交流期間が終わると、当然含めた検討ということなんですが、ゼロリセット、一端その実績はフラットになって児童相談所からまた新たな選択と申しますか、検討が始まるというような形になっているということかと思います。
こちらについては、設立から三十年弱が経過いたしまして、運用実態もだんだん変わってきておりますので、こういった声は実際の里親さん、そして送り出す施設の側、当事者、いろんなところから聞こえてまいります。
このフレンドホームの制度の見直しにつきましては、引き続き検討されることを要望いたしまして、最後の質問に移りたいと思います。
最後に、民間による特別養子縁組との協力関係について伺います。
現在、特別養子縁組には行政、つまりは東京都があっせんするものと民間の事業者があっせんするものがあります。
行政があっせんした場合には、特別養子縁組の事情に応じたそれぞれの行政サービスが受けられますが、民間のあっせんで成立した特別養子縁組の場合には、そうした行政のサービス制度を利用することができません。仮に民間あっせんにより成立したケースに同様のサービスを提供しても、その絶対数の少なさから大きなコストになるとは考えられません。
東京都がこれから特別養子縁組の取り組みを進めていくのであれば、この部分への手厚いサポートと投資は行ってしかるべきと考えますが、これについての見解をお伺いいたします。

○松山事業推進担当部長 養子縁組あっせん事業は社会福祉法の第二種社会福祉事業であり、営利を目的としたあっせん行為や、実費相当以外の金品の受領が禁止されております。
しかし、事業者の活動内容がさまざまであり、金品等の取り扱いの透明性などに課題があったため、平成二十五年に都内全事業者に対して訪問調査を行い、あっせん行為の透明性の確保、適正な金品の処理等について指導を行いました。
中でも二事業者につきましては、実費徴収が不透明である等の問題が見られたため、早急な改善を指導いたしました。
また、昨年五月に国の指導基準が改正され指導の強化を図っていることから、現時点での連携には課題があると認識しております。
現在、国は養子縁組で親となった両親に対する支援方法等について調査研究を実施しており、都としては、こうした国の研究結果なども踏まえながら今後の対応を検討してまいります。

○おときた委員 ご答弁のとおり、さまざまな問題が民間団体にあったということは事実であると思います。
ただこれは、序盤の東京都子供・子育て会議においても委員から指摘されたことなんですが、今、東京都と民間の特別養子縁組のあっせん団体は、監視する側と監視される側という不幸な関係でしかない、もっと協力体制をしくべきだというような提言が出されておりました。
これはやっぱりご指摘のとおりだと思いまして、特にあとは利用者目線というところから見れば、利用者、特に子供から見れば、行政から受けたあっせんなのか、民間から受けたあっせんなのかというのは全く関係がない話で、なぜこのサポートが受けられないのかというのは、非常に利用者目線で見ればわかりづらいことでもあり不幸なことでもあると思います。
こうしたことも鑑みて、しっかり民間団体を監視する、指導するところはそういったところで指導する、そして協力することは協力するということで、この利用者目線を第一にして、全ての方がこういった行政サポートを受けられるような体制となることを最後に強く要望いたしまして、本日の私の質問を終わります。
ありがとうございます。

 

おときた駿 東京都議会議員(北区選出)

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